☆飽食の時代

われわれ人間にとってどうしても必要な食物。

この食物が十分な状態で供給されるようになったのは、20世紀の中盤からだったようです。まだ、100年たっていないんですね。それまでは人類はいつもひもじい思いをしており、飢饉が常に人間の生死を決めるものでした。

乱暴な言い方をすれば、それで人口の調整が行われていたようなものといえますが、そこで生き残った人間は強い遺伝子を持った人間ということになります。

だから、そんな状況を打破するために、人間の身体自体が何でも食べられるようになっていったのです。あれが好き、これは嫌いなどと贅沢を言っていられるほど食物がなかったのです。
ある時に、そして、その時に食べておかないと次に何時食べられるか分からない。これが常態だったのです。

世界の歴史の中でのヨーロッパと言えば先進の地域ではありますが、ひとたびペストなどの疫病がはやったり、飢饉が起こるといっぺんに数千万人が死んでしまっていたと言います。それを救ったのが、いや、それを助けたのがアメリカ大陸から持ち込まれた、とうもろこしやジャガイモでした。どこでも、どんな気候でもしっかりと根付き収穫できるこの2種の食物は、それまで小麦が中心の生活をしていたヨーロッパ世界を大きく変え、人口の増加を促し文化、科学、工業の発展につながったと言えるでしょう。

さて、現代の世の中は……、特に日本の状況を見ると、う~ん。ちょっとおかしかないかい? と思うんですけどね。

(島本和彦)

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